Shimazaki Koichi

島崎 浩一

株式会社 HTAコンサルティング 代表取締役社長 https://www.hta-consulting.com/

現在の仕事についた経緯

父がエンジニアだった影響もあり、幼い頃からものづくりが好きで、慶應義塾大学の工学部を卒業後は、大手電機メーカーや大手音響機器製造会社にてロボット設計やオーディオ機器等の商品設計、工場管理に従事してきました。
50歳で退職後、自身の知識と経験をものづくり業界に役立て、「失われた30年」を取り戻したいという思いから、1996年よりコンサルティング業を開始し、2020年に弊社を設立した次第です。
現場のものづくりについて、あらゆる機械設備まで熟知していること、現場目線を取り入れた経営者目線でのコンサルティングをすることを強みとしています。

仕事へのこだわり

コンサルティング業における基本的なポリシーは、まず経営者目線で改善案を考え、次に現場目線を取り入れて案を具現化し、現場の技能者や技術者と共に実行していくという「三現主義」です。
また、改善案を立てる際は費用のかかる機械化やIT化を前提とするのではなく、まずは知恵を絞ることに注力し、その後の足りない部分のみを機械化やIT化で充当という順序を大切にしています。
特に、中小企業の場合は資金的に折り合いがつかないことも多く、そもそも原価や利益、業務改善への意識がなく、製造部がただただ「言われた通りにものを作る」状態になっていることも少なくありません。
よって、コンサルティングにあたっては部門だけでなく、中小企業という組織全体の立場に立って考えることも重要となります。

今後の目標

私の創業にかける思いとも重なるところですが、製造業の活性化を通じて再び「技術立国日本」を再建する一助となりたいというのが今後の展望となります。
そのためには、日本のものづくりの大半を支える中小企業に元気になって頂く必要があり、私も今後どんどん中小企業の支援を拡大していきたい所存です。
しかし中小企業の場合はそもそもコンサルタントに懐疑的な方が多いという課題もあります。
その場合、まず経営者に改善活動の手間と費用がいかに大きなリターンを導くか、コンサルティングのメリットを説明しながら我々の仕事への理解を求め、業務改善の必要性を認めて頂くことが重要だと思います。
現実的な費用問題においては、KPIを定め、1年契約の費用に対して何パーセント程度の生産性向上をお約束できるのかという具体的な数字を示し、さらに指定期間以内に達成できなければそれ以上の費用は頂かないなど、とにかく中小企業のコンサルティングに対する懐疑心を払拭し、一歩足を進めて頂けるよう努めています。
ゆくゆくは、これまで行ってきたコンサルティングの知見とノウハウを製造業だけでなく、病院や学校といった範囲まで拡大していけたらと思っています。

若者へのメッセージ

会社によく不満を言っている方がいますが、「自分がやりたいことをできない」という不満はどんな会社へ転職しても解消されないものです。
ならば、いっそのこと自分で会社を興して事業をやってみたらどうかと私は思います。
コンサルティングという事業に従事していると、「改善なんてできない」というお客様がよくいらっしゃいますが、この世にできないことはありません。
それはただ何らかの制約があるから現在できないだけであり、そもそも制約条件を変えられないと思い込んでいる、自分自身の縛りにこそ問題があります。
したがって、生産的に物事を進めたいのなら「できない」ではなく、「この制約をどうやったら外せるのか」と考えることです。私も常日頃から「できない理由を言うのではなく、どうすればできるかを考えなさい」とよく伝えています。
ぜひ、現状の不満に足を掬われることなく、常に物事は改善できるという意識を持って取り組んでいってください。