Shiokawa Haruki

塩川 悠希

株式会社enfoat 代表取締役 https://enfoat.com/

略歴

立教大学経済学部卒業。新卒で税理士法人へ入社。会計決算業務に加え、大学生向けの財務セミナー講師等を経験。経営そのものにもっと寄り添いたいという想いから、税理士・社労士・司法書士といった士業と提携のうえ、2019年7月に独立起業。記帳代行、会計コーチング、起業家支援コミュニティの運営等、多方面で活躍中。

現在の仕事についた経緯

僕は、小学校は不登校、高校は一年で中退。学校という環境にそもそもなじめない人間でした。子どもの頃からなるべく縛られず自由でいたいという気持ちが人一倍強かったようにも感じます。

心の中で起業しようと決意したのは大学生時代です。ゼミでマクロ経済学の祖と呼ばれるJ.M.ケインズの本を読んでいる時でした。経済全体を支えるのは「企業家の野心的意欲=アニマル・スピリッツ」なのだという言葉に痺れたのです。
結局、経済を支えるのは人間の根拠もない自信なんだ!と。もともとの自由人気質な性格と相まって、「僕もなんかやってみたい!」と思ったことをよく覚えています。

とはいえ、経営にファイナンスは絶対欠かせません。新卒で入った税理士法人にて会計を体に叩き込みました。それから4年程して、税務申告だけでは企業は支えられないなと感じたところから、記帳代行に加えて黒字化戦略を練るコーチング会社を設立しました。現在は、中小企業・個人事業主さんのアニマル・スピリッツを全力で応援しております。

仕事へのこだわり

一番は経営者と未来志向の会話をすることです。

税理士法人時代に感じていたことがあります。
会計資料を持っていっても、社長さんと未来の話をすることって少ないな、と。これは大損失に感じました。難しい会計資料を持ってきて、過去の取引について喋っている。これはいったい何のための会計なのでしょうか。

経営者の関心は「過去の数字」ではなくて、「現状の課題と未来をどうすべきなのか」だと考えています。だからこそ、気さくに何でも話せるパートナーであることを重視しています。
ちょっとした不安も共有頂けるようにすることが、本当の意味で支えることなのだと思っています。そして、心配や不安を未来の話へ切り替えていくことを最大限大切にしています。

また、中小企業の一番の相談役は税理士と言われることが多いです。しかし、税理士がついているのに、なぜ70%以上の企業が赤字なのでしょうか。答えは明白で、本当の意味で会計を武器にできていないからです。
多くの税理士は、税務会計のプロであって、納税のために会計資料をまとめることが仕事です。一方、顧問先の企業の内部的な利益構造等の研究をしない方がほとんどです。

納税のための会計は当然の義務ですが、そのままではもったいない。経営の意思決定を促すための会計を取り入れることが必要と感じています。そうしない限り本当に会計を経営に活かすことはできません。
社長が何をしたくて、それをやるとどんな数字になるのかを「見える化」することが、経営の長期生存に繋がると考えて仕事にあたっています。

会計の基盤をもとに、どう黒字を作っていくか、一緒に明るく考えること。そのマインドそのものを中小企業を支えていくための最大の武器としています。

若者へのメッセージ

僕は「やってみたい!」という好奇心を最大に承認します。好奇心こそ新しいビジネスを生み、資産形成に繋がるからです。キャリアに悩む子や、人間関係に悩む子も多くいるだろうなと想像します。大きな夢なんてなくとも好奇心だけあれば十分だと思います。何がしたいか分からなくても「なんかしてみたい」気持ちだけで充分です。

僕は2022年現在で30歳ですが、この世代には大きな課題があると考えています。僕らの世代は、老後資金で65歳までに8,000万円以上必要だと言われているのです。そんなお金どうやって貯めればいいんだ、と思いませんか。
税金や社会保険料はどんどん上がる。人口も減るため売上も必然と下がっていく。会社が個人を守る時代はとうに終わりました。

何ができるか。答えはシンプルだと思っています。変化対応する力を身に着けながら稼いでいくこと。いつどうなっても楽しみながら稼ぐ力を存分に身に着けることだと僕は考えています。

誰かが何かを言ってこようと、思いついたらお構いなしに思うままやってください。不平不満を言っているような人たちは脇に放っておきましょう。そんな暇は僕らの世代には無いと思っています。
閉塞感をぶっ飛ばせるくらい、ビジネスの場で一緒に楽しめたら嬉しいです。