Tai Yasushi

田井泰志

エフシースタンダードロジックス株式会社 代表取締役 http://fcstandard.com/

現在の仕事についた経緯

私は中国出身ですが、中国の大学を卒業した後、さらに知見を広めたいとの思いから日本で再度関西大学の商学部へ入学しました。
そして卒業後に物流会社に就職しました。
そこでは常に世界中の人とのコミュニケーションが必要とされており、毎日違う仕事内容、違う国の人や商品と出会いがあり、好奇心が刺激される日々でした。
様々な形態の貨物を、ある時は海上輸送で、ある時は航空輸送で、またときには複数の輸送方法を組み合わせ、お客様のニーズに合うようプランを組み立てる。時には予想もしないような場所への輸送や、お届け期日がギリギリの輸送の依頼をされ、右往左往しながら手探りで仕事を進めることもありました。
国が違えば文化や生活様式も異なるため、様々なエリアの時差や世界の祝祭日、相手とのコミュニケーションの取り方なんかにも自然と詳しくなったりしましたね。
初めて対応する案件や、困難な案件をやり遂げたときのなんともいえない達成感は何年たっても心に残り、それが社会人としての自信につながっていったようにも思います。
こうした体験を繰り返し、国際物流の面白さを知ったことでこの業界で起業する決意が固まり、日本の物流会社でしばらく経験を積んだ上で独立しました。

仕事へのこだわり

わたしは、仕事は基本的に社会奉仕であるという風に理解しています。全ての起点に置くものは利他的なこと、つまりtakeよりもまずgiveを優先に企業活動していくべきというのが信念です。社会貢献しながら世の中を良くしていくというマインドで取り組めば、自ずといろんな仕事が順調に進んでいくと信じています。

反対に、自分の利益ばかりを考えていると、どこかで矛盾が生じ、社内においての大義名分も立ちません。新しい商品、新しいサービスを作り出すときに『いかにお客様や社会にメリットをもたらすことができるか』というマインドをもっていれば、自然とよいものができるような気がしています。

我が社でいま力を入れている例としては、『国際輸送における二酸化炭素の排出量を削減し環境にやさしい物流を実現する』という目的を掲げ、社内習慣を改革したり、さまざまなSDGs活動に積極的に取り組むようにしたりしています。

今後の目標

我々は国際物流会社ですが、この業界の今一番のネックといえばやはりDXだと感じています。
一部を除いた日本の企業は省力化、デジタル化という部分においては残念ながらまだあまり注力できておらず、世界の最先端からは遅れをとっているような状況です。特に我々物流業界は紙ベースでの業務が主流で、ペーパーレス化もなかなか難しい業界です。税関をはじめとした関係省庁とのやり取りが徐々にデジタル化されてきてはいるものの、港湾関係の企業には昔ながらの伝統といったしがらみもあり、一筋縄ではいかないのが現状です。

このままでは、世の中の生産性向上の流れに取り残される恐れがありますし、若い方々の就職先としての魅力というのも失われていくのではという危機感もあります。
我々としては、国際物流業界のDX化をどんどん推進して、世の中の販売物流および生産物流をもっと効率的、効果的に最適化させ、人々の生活をより豊かに快適にすることを念頭に、DX化を牽引する役割を担いたいというのが目下最大の目標です。

具体的なアクションとして3つの新サービスを構築しました。
【D2D】https://d2dasia.com/
大企業にもスタートアップにも。オンラインショッピングのように感覚で使えるUIにこだわったモバイル上で完結する中国輸入に特化したシステム。

【海上速達便】https://d2dship.com/
皆さんの着ている服は海上速達便で輸入されたものかも!?数々の有名アパレルブランドにも選ばれている「航空便より安い、船便より速い」国際輸送サービス。

【FCEC】https://fcec2020.com/fba/
日本以外に拠点を持ちグローバルに活躍される海外法人向けに特化した輸入サービス。多言語対応でお客様の日本でのビジネスを物流から支援。

若者へのメッセージ

簡単な言葉になりますけれども、一度きりの人生、「一生懸命働いて、一生懸命遊んで、一生懸命世界と出会い向き合っていく」ということができれば幸せな人生を作っていけると思います。