Takeuchi Akihito

竹内 明仁

人と戦略研究所 所長 https://www.hito-senryaku.com/

略歴

商社勤務後、小売りチェーンへ転職。倒産を経て会社を共同創業し、全国へチェーン展開。その後独立。企業の経営者から現場担当者まで、延べ10,200人余りの方との対話を通して人財育成・組織開発に関わる。現在は戦略・マーケティング・組織活性化・財務基盤強化から経営の全体最適化を目指すサポーターとして活動中。

現在の仕事についた経緯

現場から経営陣までを経験した結果、“いい会社づくり”の必要性を強く感じたことが動機づけとなりました。“いい会社”とは、単に業績がよいだけでなく、日常会話の中で「あの会社はいい会社だよね」と言ってもらえる存在です。そのためには、働く人・パートナー・お客様・地域・社会に喜びや感動を届けることが大切だと実感しています。
日本人が本来持っている気質を礎にした経営を行えば、必ず世界に冠たるビジネスモデルを構築できる。そう信じていることが、現在の仕事までの経緯と繋がっています。

仕事へのこだわり

本質的な戦略の構築・実践・進捗フィードバックをワンストップでサポートしています。戦略は経営要素の部分最適では実現できません。部分が全体最適化にどう繋がるかという視点で俯瞰することを大切にしています。点→線→面へというイメージです。
内部戦略での最高の生産性向上策は、働く人のモチベーションアップです。生産性が向上すれば、結果として業績も上がります。これが、経営の手段と目的を履き違えない要諦として取り組んでいる根本です。組織のベクトルを同じ方向に向けるための経営理念の共有化支援もこの分野です。よい雰囲気の企業風土の醸成や仲間意識の強化には欠かせないと考えています。
外部は、イノベーションとマーケティング戦略に絞り込んで進めています。双方の共通点は、提供する側の都合ではなく、顧客が何を選択するかにフォーカスすることです。製品/商品/サービスを売ること自体が目的ではないスタンス。顧客がそれらを利用することで何が解決されるのかで判断しています。ワクワクする未来や、なりたい自分の実現ということもありますし、不便・不満・不安の解消の場合もあるでしょう。
いずれにしても、顧客から見た価値は何かという視点が大前提になります。この外への戦略は、企業のビジョン・ミッションと結びついているかどうかも見逃せません。ビジョン実現のための歩みに沿っているか。ミッションの遂行と同じ目線に立っているか。この一貫性が企業ブランディングになるからです。
そして、IT化が更に進んでも、戦略部分は人の手によって成り立つと考えています。人が成長するには知識やスキルのアップも大事ですが、それ以上に影響力を持っているのが人間力です。人としてどうありたいか、どうあるべきか。あり方の次にやり方が来ることが本質と捉えています。あり方という土台がしっかりしていればやり方がブレないですが、やり方から入ると途中で方向が変わってしまう可能性があります。この順番は外せない価値観です。
一緒に仕事をする人を機能として観るのではなく、生身の人間として観る。デジタル化を推進するのも人です。企業は永続することが目的。主人公を大切にするのがセンターピン。常に強く意識しているところです。

若者へのメッセージ

今の若い世代にはとても期待しています。理由は、多様性を受け入れられる土壌があり、それを基に自分で考えることができる環境が整いつつあるからです。
価値観が画一的・均質的な方が効果的だった時代と異なり、主体的に生きることが求められています。従って、他の人と同じ価値観だから安心するのではなく、世の中の常識と呼ばれるものに疑問を抱いてほしいと思います。
それには“問い”を立てる習慣を身につける必要があります。例えば、「偏差値の高い大学に入って大企業に就職する意義は何か?」「仕事をする目的は何か?」「親や教師の言動でおかしいと思うものは何か?」などキリがないですが…。
また、親世代とは違い、モノを求める時代ではないことは認識しているでしょう。既に子どもの頃からあるのですから。では、求める対象は何か?コトだと思うのです。コトは人との繋がりがないと発生しません。デジタル化、核家族化、コミュニティの激減等により、人との関係性が薄れている現状は正常とは言えません。時代が変わっても人が中心であることは変えようもありません。コトの経験を積んで頂ければと思う次第です。一例を示せば、グローバルな現代に海外留学生が減少しているのは寂しいですね。
加えて、“不易流行”に目を向けて貰いたいと願っています。時代の変化に応じて変えるべきところは変え、変えてはいけない部分は残す。その大きな価値観が“日本人らしさ”です。
日本人が本来持っている倫理道徳感。これは、現代の親や教師も忘れている大きな損失箇所です。家庭や学校で教えてくれる人がいないため、学びようがない難しさがあります。気付きと学びを得るためには歴史を紐解くしかないようです。聖人・賢人と呼ばれる先哲から学ぶ。そこから自分の中に眠っている日本人らしさを呼び覚ます可能性に期待したいです。きっとかつては世界を凌駕した日本人の素晴らしい観方・捉え方・考え方に出逢えるはずです。