1968年群馬県生まれ。東京製菓学校のパン本科を卒業。スタイルブレッドの前身である群馬県・桐生市で長年続いていたベーカリー、「田中製パン所」の4代目。2006年に株式会社スタイルブレッドを設立し、冷凍パン事業をスタート。
略歴
現在の仕事についた経緯
大正時代から続く群馬県桐生市のパン屋の4代目として、物心ついた時から身の回りにはパンが溢れていました。子供の時からうちはパン屋で、パンを売って生活してるんだ、うちはパンで生きてるんだ、なんてことをよく思っており、わたしにとってパン屋を継ぐことは当たり前でした。
会社を設立し、冷凍パン事業を始めたきっかけは、アメリカ研修で出会った冷凍パンが感動するほど美味しかったことにあります。パンを焼き上げた後に急速冷凍を行うことで、でんぷんの劣化や水分の蒸発を防ぐことができると知り、事業構想から5年かけて冷凍パンを開発しました。
美味しい焼きたてパンを多くの人に味わってほしいという想いから、冷凍という手段を使い、厳選素材と伝統製法を用いて職人のパンを焼き上げ、お届けしています。
仕事へのこだわりと若者へのメッセージ
「失敗するなら早いほうがいい」
2006年5月に株式会社スタイルブレッドを設立して、売上をつくるために、まず販路開拓に勤しみました。群馬県桐生市の企業ということもあり、まずは馴染みのある北関東で基盤を作っていこうと思い地場のホテルやレストランへの営業を行いました。毎日朝はパンを作り、パン作りが終わったお昼過ぎから営業へ。という日々を繰り返していましたが、中々採用にならず大変苦労しました。
その後、東京にダイレクトメッセ―ジを送り始めたら約7割の得意先からサンプルのニーズがあり、商談成立は3割に。会社設立4か月後、ようやく軌道に乗りはじめ、月の売上金額は300万円に上昇。町のパン職人がトライアンドエラーを繰り返し、少しずつ売上を伸ばし始めたはじめの一歩でした。
しかし弊社は、ホテルやレストランなどBtoBへの売り上げが大半で、コロナが最も蔓延した時期、非常に厳しい状況になりました。
ただ、2018年により多くの方に冷凍パンを食べていただきたい、この美味しさを伝えたいという思いで一般家庭向けのブランド、『Pan &(パンド)』を立ち上げていたことにより、売上的に救われました。売上の逆転現象が起こったのです。
当時は相当苛まれていましたが、ピンチを新しいチャレンジのためのチャンスと捉えて、全国のスーパーやコンビニ、オンライン販売に力を入れていこうと思えました。今でこそ非常にいい転換期だったと言えます。
常にPDCAを回し、トライアンドエラーで日々成長。この言葉に尽きます。
炊き立てのごはんが当たり前に食べられているように、焼きたてのパンが当たり前に食べられるライフスタイルを創りに引き続き励んでまいります。