Tomita Kazuyuki

冨田 和志

医療法人社団 新心会 理事長 https://www.kuki-ekimaeshika.com/

現在の仕事についた経緯

親が歯科医ということもあり、無意識に影響を受けていたのか、進路を決める際は歯科大学を選択しました。「日本は歯医者の数が多すぎて厳しい」とたびたび耳にしていたことから、独立志向は特に持たず、卒業後は3年間大学病院にて勤めていたのですが、どんどんと「自分の実力で勝負してみたい」という気持ちが膨らみ、埼玉にて独立開業に至りました。
多店舗展開についても当初のプランにはなかったものの、最初の医院が順調に軌道に乗ったことから、1個1個ステップを踏む形で展開を拡大してきました。
今年は「日本で最も歯科医院が多い」と言われる銀座に新たな院を設け、さらなるチャレンジに挑んでいます。
埼玉の医院では老若男女を問わずたくさんの患者様に来て頂き、「地域で最も信用してもらえる総合歯科医院」というコンセプトをもとに取り組んでいましたが、銀座では地域柄、自費診療より保険外診療を選択される患者様が多いということもあり、1人の患者様に十分な時間を割き、1本の歯に徹底的にこだわる診療スタイルを取っています。

仕事へのこだわり

他の歯科医師やスタッフに徹底してもらっているのは、とにかく患者様に満足して帰って頂くということです。
極端に言えば、「歯が痛い」という患者様にご満足頂くためには、神経を抜いて痛みを取ることだけがすべてではありません。神経を抜くというリスクを考慮すれば、一旦痛み止めを処方してご自宅で様子を見て頂くという方法が患者様にとって最善なケースもあるはずです。
だからこそ医療者側の都合や主張を押し付けるのではなく、患者様1人1人にあった診療のカスタマイズが重要だと考えています。
当院のモットーである「一診療、一笑顔」の通り、私達も患者様も笑顔である診療を目指し、患者様のご満足に繋げています。
専門的な知見では、歯科医院における治療のクオリティは医院によってまったく異なりますが、一般の患者様からすると「歯医者はどこへ行っても一緒」と捉えられている方も多くいらっしゃいます。
だからこそ患者様が実感できる範囲で「満足」を感じて頂くことが、保険・自費診療に関わらず最も重要なことであり、なによりの差別化になると考えています。

今後の目標

現在は埼玉に3つ、銀座に1つ医院を展開しているのですが、2023年春には千葉へ、その次に神奈川への出店をもって一都三県をカバーし、ゆくゆくは「関東の歯医者といえば新心会」と第一想起されるよう、認知度の向上に努めていきたいと思っています。
そのためにも歯科医・衛生士等のリクルートは必須の課題です。
ひいては十分な人材の確保と、患者様の満足を最優先として考えられる人材の育成に注力していきたい所存です。

若者へのメッセージ

私は自身が経営者という認識はあまりないのですが、これまで10年以上歯科医院運営を続けてきて、「ここが他の人と違うのかもしれない」と感じた部分があります。
それは、他業種を見ていても「これは使えるかもしれない」など、常に無意識下で仕事のことを考えていることです。最近では、そういった些細なことの積み重ねが、うまくいくかどうかの分かれ道のような気がしています。
繁盛している歯科医院と閑散としている歯科医院の間に、一見大きな違いがないのと同じことで、いわば0と10ではなく、8と9くらいの僅かなレベルの差を生み出す創意工夫が、どの業界においても徹底的な結果の差を生み出すということです。
皆さんも今後就職すると、おそらく逃げたくなるような嫌なことにも直面をすると思います。
しかしそこから逃げて仕事を変えたとしても、おそらく何も変わりません。
大切なのは気の持ちようと、頭の使いようです。
その点を大切にして目の前のことにきちんと向き合っていれば、かならず物事はうまくいくと思います。