Tsubaki Naoyuki

椿 直之

キーマート 代表 https://cycle-keymart.com/

略歴

中央大学商学部卒。
新卒で某スーパーマーケットに入社、部門主任を3年間経験。
その後、ホームセンターに転職し、自転車の仕事に携わる。
5年間経験した後独立し、出張修理屋を開業。現在は中古車販売、通販自転車の車体整備の請負、セミナー講師、YouTubeでの情報発信などマルチに活躍。

現在の仕事についた経緯

会社勤めで上に行けば行くほど余計な仕事が増えました。部下の管理、シフトの作成、販売計画の提出、会議資料。
自転車に関わる仕事は好きなのに、お客様が来るとそれらの仕事が進まないという状況を経験しました。本来、お客様が来ることは、ありがたいことのはず。それは本末転倒だと思い独立しました。
ただ開業するにしても、普通に町の自転車屋さんのような店を開いても、大手には勝てません。他がやっていないことでの差別化戦略が必要でした。
高齢化社会、運転免許の返納で移動手段は自転車のみ、ですが壊れて動かない自転車を店まで移動させるのも一苦労。その中で「出張修理」に需要があるのではと感じました。
そして「店舗のない自転車屋」を作り、現在に至ります。

仕事へのこだわり

新卒で入社した会社、スーパーマーケットの最初の上司の影響がとても大きいと感じます。

一流のシェフが作った同じ美味しいカレーでも、綺麗にテーブルに置いてあるのと便座の上に置いてあるのでは、皆テーブルのカレーを選ぶ。
同じものでも、置かれた状況によって選んでもらえるかが変わる。

これは売場陳列の考え方ですが、どんな仕事にも応用できます。
スーパーで学んだことですが、現在の仕事でも使う考え方です。

同じ仕事でも、誰よりもレスポンスは早く。
同じ仕事でも、誰よりも効率的に数をこなす。
同じ仕事でも、誰よりも独特に、奇抜に。
例えばパンク修理は直してお金をもらってハイ終わり、ではありません。
その人が次に同じ目に遭わぬよう、パンクの原因を突き止め、その対策を必ず提案するまでが務めだと思っています。

パンクの原因や、対策まで丁寧に説明してもらえるなんて初めて!
とお客様に言われることがよくあります。
極端な話ではありますが、しょっちゅうパンクさせてしまう人に原因と対策を与えれば、世の中のパンクは減っていくのではないでしょうか。自転車を使う人は増えているのに、自転車屋は減っている。パンクという低レベルで数の多い修理を少しでも減らせれば、もっと深刻で必要とされる修理に手が回せるのではないかと思います。
人手が足りないのであれば、減らせる不要な修理は減らせるに越したことはありません。コロナでひっ迫している今の医療体制と同じです。
同じパンク修理でも、そのような考えが当店独自の強みとなっていることで、当店を選んでもらえることはありがたいことですが、自転車業界の残念な現状でもあります。
一つ一つ根本的な問題を解決することが、全体の問題を効率的に解決することに繋がると信じています。

若者へのメッセージ

とにかく挑戦したいことがあるのであれば、まずはやってみることがおすすめです。
できるかどうかを調べて、メリットデメリットを予想し「なんかできなそう」というだけで諦めないこと。できるかできないかは、やってみなければわからない。できればラッキー。
やってみてできなかったとしても「できなかった」という経験になります。その経験は「次はこうすればできるかも」という未来のヒント。その経験こそが人の力の源であり、自信につながるはず。
現在は様々な情報が飛び交う情報化社会であり、ウソかホントかわからない情報が無数に存在しています。どれが真実かを見極め、この社会を生き抜くためのカギになるのが、やはり経験だと思います。
会社に入り、失敗して怒られても、折れないで。今や一生涯ずっと同じ会社に務め続けるなんて人はあまりいません。今いる会社は、自分の力を磨き上げる単なる踏み台。自分の技術を高め、自分の良さを発揮できる場所ができたら、移ればいい。なければ、作ればいい。今経験していることは、全ては未来の自分のためになります。
やりたいことが見つかったら、躊躇せずに自信を持って飛び込むこと!