秘書という普通のOLから結婚後、好きな料理で料理教室や和菓子教室を開催していましたが、離婚し子供3人を育てる為フルタイムの仕事に就きました。自分の得意な和菓子を持って高齢者施設の面接へ出向いて、とても感激されたのがこの「ヘルスケア給食の第一歩」です。時給パートから契約社員、正社員、管理職、そして社長へ。ステップバイステップで今があります。
現在の仕事についた経緯
仕事へのこだわり
今思うと、その時は時間に追われて一生懸命に子供を育てることしか頭になかったのですが、好きな仕事をさせてもらえてたと感じています。夜中の3時に起きて3人の子供の朝食とお弁当と学校から帰宅した時の夕食まで準備して、5時に家を出て朝勤務に入り、退勤して保育園のお迎え。毎日繰り返しの連続でしたが、やっぱり現場を知ることは大事だと今のこの立場になっても思いますし、ビジネスは机上ではなく現場にあると思っています。
何よりも現場の気持ちを理解しながら会社の方向性を築いていく。経営なので厳しいことも伝えていかなければなりませんが、お客様ありき、現場ありきで王道をいきたいと思っています。
この給食、とくにヘルスケア給食はバックヤードの仕事で、外食と比べると華やかでないように見えると思います。料理職人から「どこも行くところがなくなったら行く所だと思っています。」と言われた経験があります。
でもこのヘルスケア給食において、所謂「介護食」の奥の深さは従事している人しか分からないと思っています。外食の人達は入社して、細かく要望を聞き、煩雑な工程に耐えられなく続かない人も多くいます。それでも最後のターミナルまで支える介護食にやりがいをもってくれる若者も増えてきました。おそらく自分の親と重ねる部分もあるのだと思います。
私が過去忘れらないのは、食べることが困難な人にせめてクリスマスには隣の人と同じように形あるもので食べて頂きたいと考え、見た目と味を同じに再形成をしたソフト食をご提供した時、「自分の親がこんなに食べるのを見たことがありません。本当にありがとうござます!」と潤んだ目でお言葉を頂いたことです。
ケアスタッフがこの高齢化社会を支えると共に、私達介護食分野のヘルスケア給食も高齢化社会を支えていかなければなりません。なので、もう少し正しい理解で、なくてはならない「給食事業の実態」を知って、国も行政もご施設もこの業界を支える仕組みを構築して頂きたいと切に思っております。
若者へのメッセージ
そうですね、自分の人生に制限はかけないことだと思います。失敗や挫折は人生の糧になりますし、人との出会いは人生を変えてくれる。その時期が早い人もいれば、遅い人もいる。隣の芝生は青く見えるけれど、実は明日は枯れそうな現実だったり…。
最近、年を重ねて思うのは、健康であれば無理なく働いていた方が良いですし、自分らしくいるには他人と比較しないことが大事だという事です。
子供達には「自分で決めたことには責任を持ちなさい」と言っています。いつも他責で他人や会社や社会のせいにする人がいますが、結局自責にあり個人の考えが起こしていることの方が多いと感じています。
人生はいい事ばかりではないけど、悪いことばかりではない、他を羨むより、ノートに自分の良さを書き出して認めて前向きに生きていく方が楽しいと思います。そして足並みを揃えてくれる友人や仲間は大事ですし、本との出会いも人生を変えてくれます。孤立しない事が大切だと思っています。