弊社は同族経営の企業で、創業者は私の高祖父にあたります。
祖父には長男、次男、そして私の父である三男と3人の子供がおり、もともとはこの長男が代表を務めていましたが、病気により急逝。
長男の息子たちは経営にあたるにはまだまだ若く未熟で、次男は当時すでに婿養子に入っており、そんな状況下で白羽の矢が立ったのが私の父だったのです。
祖父はどちらかと言えば技術重視の教えを父に施してきたため、私も幼い頃から仕事の技術面に関する部分を見せてもらうことが多く、その経験は今の経営にも活きているのではないかという気が致します。
現在の仕事についた経緯
仕事へのこだわり
2013年に私が代表に就任して以降は、常にチャレンジの気持ちを大切にここまで歩んできました。
例えば、先代の社長の時代は1社のお客様しかお取引がなかったところを、さまざまな営業活動を通じて6社まで増やしたことなどが代表的かと思います。
1社のみとお取引させて頂いている時代は、まるで仕事が降ってくるような感覚で、営業をする必要もないという点では非常に気楽なものでしたが、やはりこの先会社を存続させていくためには、多岐にわたる分野のお取引様とお付き合いをしなければ、発展が望めないとの理由から踏み切ったことでした。
特に、私達がこれまでずっと取り組んできた自動車の機能部品製造は、今回のコロナのダメージが大きく、多領域に羽ばたくことは経営の安定性のためにも不可欠であったのです。
当然、未知の分野にチャレンジするのですから、多くの失敗もありましたが、少なからず会社全体の技術・能力の向上には役立てたかなと今となっては思います。
さらに私の個人的なこだわりとしては、仕事とプライベートの線引きをきっちりとするというものがあります。
さもなければ、どちらにも身が入らず、不完全燃焼の結果に終わってしまうと思うからです。
今後の目標
自動車業界は、自動車メーカーに直接部品を供給するサプライヤーをティア1、そのティア1メーカーに部品を供給する企業をティア2と言い、現状の私達はティア2にあたります。
これをなんとかティア1のポジションまで引き上げることが直近の目標です。
そこにかかる経営課題はさまざまにありますが、早急に対応すべきは省人化です。
労働人口がどんどん少なくなっていく流れにある中で、たとえ人が入ってこなくても会社が回るという仕組みを確立させたいというのは私の兼ねてからの考えでした。
よって現在は、自動化ラインの導入を通じて、通常は5人の人手を必要とする業務を1人でカバーできるような体制の整備を進めています。
このように今後さらに高みを目指していく上では、現在の年商14億円を20億円まで引き上げることを第1段階のゴールとしたいと考えています。
若者へのメッセージ
充実したプライベートのためには、収入が必要であり、そのためには仕事が欠かせません。
そんな必要不可欠の仕事がつまらないものであっては、日々の生活も一層面白くないものになってしまうでしょう。
そこで仕事のモチベーションを上げるためには、仕事を「頭と体を使って自分のスキル・能力を鍛える場」と捉えることです。
プライベートは誰からも指導や叱責をされることはないものの、それこそ何らかの意欲がない限り、成長を遂げることも難しいものです。
しかし仕事は、一心に取り組んでいれば、おのずと自分の器を大きくできる絶好の機会です。
私自身、若い頃は遊ぶ時間をも惜しんで仕事に没頭した時期があり、だからこそ今があると思っています。
皆さんが先の日本を背負うために日々成長される中で、私達のような立場の役目は、皆さんの成長をサポートすることだと捉えています。
よって、世代に関わらずお互いがサポートし合い、そして職場を、社会をもよくしていけるように手を取り合っていけたら嬉しく思います。