Yamasaki Shuhei

山崎 修平

Greenroom株式会社 代表取締役社長 https://greenroom.eco/

略歴

大阪大学基礎工学研究科修了。
新卒でパナソニック株式会社に入社、エンジニアとして勤務。
その後、米ミシガン大学経営大学院へ留学。MBA取得後、パナソニック北米本社、Amazonでの勤務を経て、Greenroom株式会社を設立。

現在の仕事についた経緯

大学院のプログラムでアフリカのルワンダに滞在し、現地の病院の経営改善を行ったことがきっかけで、社会課題に高い関心を持つようになりました。
レアメタル鉱山で働く方を主な患者として抱える病院で、鉱山での労災が多く、それに対して平均月収50ドルと低い所得水準で、恒常的な医療費の未払いが起きていました。グローバル資本主義経済の恩恵を享受する一方で、その裏にある構造的な問題を垣間見て、その在り方に疑問を持ち始めるとともに、事業を通した社会課題の解決に取り組みたいと思うようになりました。
直接的な起業のきっかけは、共同創業者の仲間に出会ったことです。
元々はアメリカ駐在時代の友人で、帰国後、外資大手コンサルティングファームのサステナビリティコンサルタントとして活躍していました。その一方で、表面的なサステナビリティ対応に終始する支援の在り方に疑問を感じていました。非財務情報の開示に留まらず、実態の事業に切り込み本質的なサステナビリティ変革を起こしたい、という2人の思いが一致し、Greenroomの創業に至りました。

仕事へのこだわり

①言うべきことははっきりと
経営の仕事をすると、専門外・未経験の分野の内容について、初見で判断しなくてはならないことが頻繁にあります。わからないことを恥じず積極的に質問し、その場でしっかりと考え議論を尽くすことで、自分も組織も理解を深めることができます。
思い返せば、アメリカ時代の上司に“会議中発言しないのは、価値がないのと同じ”と言われたのがターニングポイントでした。発言しないのは機会損失だという姿勢で、今でも全ての会議に臨んでいます。

②とりあえずやってみる
エンジニア時代、設計図をもとにプロトタイプを作ることが多かったのですが、いざ現物を目の前にすると予測できない問題が発生したり、あるいはそれを元に新しいアイデアが浮かぶことが多くありました。この経験から、プロトタイピングの価値を深く理解し、考えすぎる前に「まずはやってみよう」という仕事の習慣が身に付きました。
頭で考えすぎるとリスクに対して保守的になってしまいますが、とりあえず手を動かして作ってみると攻めの姿勢になるので、不思議なものです。

③無駄な仕事はしない
Amazonでは常時、膨大な仕事量を抱えており、全てを全力で取り組んでいたらオーバーフローして潰れそうになった経験がありました。
「自分の仕事の90%を捨てて、本当に価値のある10%の仕事に集中せよ」と、当時の上司にアドバイスを頂き、窮地を救ってもらって以来、この姿勢を心がけています。
スタートアップは際限なくやることが出てきて、かつ無駄かどうかの判別も難しいこともあるので、尚更この姿勢を強く意識して、本質的に価値のある仕事を見極めるよう努めています。

若者へのメッセージ

人生一度きりなので、すでにやりたいことを明確に持っている人はその思いに従って行動するのが良いでしょう。でもそんな人は多くないと思います。
現時点で、特にやりたいことがない人は、目の前の仕事、勉強などを一生懸命に取り組むことを強くおすすめします。そうすれば自然に道が開けてくるでしょう。
自分自身、海外キャリアがそれなりに長いのですが、もともと海外での仕事に一切興味はありませんでした。新卒でベテラン技術者ばかりの職場に配属されて、技術や知識量では諸先輩に勝てるべくもなく、どうすれば価値を出せるかなと考えていたとき、ちょうど海外市場へのプロモーションで英語が出来る技術者を募集していました。チームは英語が苦手な方ばかりでしたので、これを機会に苦手だった英語を猛勉強して、手を上げることにしました。
このプロモーション活動をきっかけに、海外で仕事をする機会が増え、責任のある立場で仕事を任せられるようになりました。同時に、技術だけに留まらず、戦略、マーケティングなど、事業全体をもっと深く知りたいという気持ちが高まりました。
その後、海外留学、海外駐在という貴重な機会を手にして、思いもよらない方向に人生の進路が変化していきました。
起業も似たような感じです。
社会課題の解決というテーマに一生懸命向き合っていると、偶然にも同時期に同じテーマで起業したいという仲間に出会うことができました。まだまだゴールに向けて道半ばではありますが、これから先もその時々の立ち位置で全力で取り組むことで、自分たちでは思いもしなかった新しい道が開けていくものだと信じています。